2017年初春の時点では、自分達兄弟は父の財産を放棄する事で意見が一致、農地売買の許可を出す農業委員会の担当者にも、貸借ではなく売却前提で農地の買い手探しをお願いしていました。ある日、弟から田んぼの買い手が見つかったと連絡があったのです。
価格交渉は不安ダラケ!
ネットで価格交渉と打ち込み検索してみると「購入希望者のほとんどの人が価格交渉ありきで臨んでくる」といった記事を目にします。
父の農地(田)の価格交渉においても、先方の農家から価格交渉ありきで話しを受けたように感じます。
まず農家でもなく土地の売買経験もない、一般素人には1000㎡(10a)あたりの田の取引価格がさっぱりわからない。
自分は交渉に臨む前、漠然と約1000㎡の田の価格を上限35万、下限は25万というふうに決めました。
上限35万の根拠はネットの記事を何ページか読み、これくらいが妥当だと判断した結果決めた価格です。
仮に下限25万でダメなら更に価格を下げる意思も持っていました。まあ、早い話が相続放棄する前に売却できるものは何でも売却しようと考えていて、売れ残ってしまうよりは多少安くても現金化優先で話しを進めていました。
しかし、価格を下げ過ぎるのもダメなようです。農業委員会の担当者の説明を聞くに自治体で取引されている平均価格より価格を下げ過ぎると、それが前例となり今後の売買価格に影響があるためだと理解しました。
聞きなれない10a(10アール)
自分は土地の現況を突っ込まれるとは考えていなかったため、内心「そうだよなあ~数年耕作してない田だし手入れをして耕作出来るようにするにも手間がかかるよなあ~」と自分に納得させ、事前に決めていた上限と下限価格の中間の「30万でどうですか?」と価格を一気に下げました。
結局、30万円で交渉成立となったわけですが、ここからが自分の勘違いというか、「あんたバカァ?」と言われても仕方のない勘違いの始まりでした。
今になって考えると何ともない内容の事に思うのですが、価格交渉終了後の自分は30万の意味を理解するのに小一時間要しました。
価格交渉で決まった30万という価格は10a(1000㎡)あたりという意味で、1㎡=300円になります。例えば900㎡の田んぼだった場合は900×300=270,000円という価格になるのです。これを理解するのに小一時間要し、念のために農業委員会にも価格の内容について電話し確認をとって納得しました。
おそらくなんですが、10a(10アール)あたりいくらという言葉が会話中にも出てたはずなんです。
今回、初めての価格交渉の場で30万という価格だけを気にするあまり、聞きなれない10a(10アール)という言葉を失念していたのです。
初めて経験した価格交渉の場では色々と考えさせられる事もありましたが、最初に売れたこの一筆の農地の価格交渉の経験は、その後に決まった田畑の価格交渉にも役立ち貴重な体験となりました。